非常勤講師を選ぶ理由は
- 兼業したい
- 常勤の募集がなかった
- 教員採用試験の勉強をしながら実践を積みたい
などがあると思います。
そのなかでも【兼業】として非常勤講師をした私の経験談と、非常勤講師はやめておいた方がいいのはこんな人!ということを解説していきます。兼業で非常勤講師をしようと思っている人に知ってほしい内容となっています。
高校の非常勤講師を1年間していました。高校1年の音楽を担当。
生活の楽しみを感じられないほど疲弊しました。
たった1年だけの経験ですが参考になればうれしいです!
- 真剣に教員を目指す人
- 教員という仕事に熱意を持てない人
- 拘束時間が長すぎる
- 生徒と距離が縮まらない
- 授業にならない
- 他の先生との交流がない
非常勤講師やめておいたほうがいい人
私は一年間非常勤講師をし、「自分には向いていなかった」と強く思いました。向いていなくてもある程度こなせる仕事もあると思いますが、私にとって教員の仕事はこれに当てはまりませんでした。
そんなつらい思いはなるべくしたくないですよね。
非常勤講師はやめておいた方がいいのはこんな人です。
真剣に教員を目指す人
教員の採用形態は3~4種類あります。公立か私立かによって違いますが、いずれの場合も非常勤講師というのは学校との関わりが一番少ないポジションです。ヒエラルキーは一番下。それをいいと思う人もいると思います。
しかし真剣に教員の道を志している人であれば、最低でも常勤講師に就くべきです。常勤講師であれば毎日学校に通うため、授業以外での生徒の様子が分かったり、校務分掌に携われたりすることができます。(常勤講師も専任教諭と比べれば待遇面などで劣る部分は多々ありますが。)
非常勤講師は授業の時間のみ学校に来て授業だけをして帰ります。学校内の状況はなかなか理解しづらく、ほかの先生との関わりも少ないです。そして授業外の生徒の様子を知れる機会もあまりありません。
非常勤講師は一般企業でいうところのパート・アルバイトです。雇われる側も気楽ですが、雇う側もそれは同じです。一言でいえば良いように使われる、それだけです。
肩身の狭い思いをしながら、思い描いていたものとは違う教員生活をしなければなりません。真剣に教員を目指しているなら、非常勤講師はやめておきましょう。
教員という仕事に熱意を持てない人
非常勤講師は勤務時間が限られており、働き方として気軽なために兼業・副業という形でする人も多いと思います。私はそうでした。
そういう人は教員という仕事に熱意を持てるかを考えてみてください。
教員にとって仕事相手(客といってもいいかもしれません)は生徒です。レジで店員を怒鳴りつける客のように理不尽な対応をしてくることもあります。それが教育だというのはごもっともですが、こちらも人間です。そんな相手と向き合っていくのはとてもハード。それでも生徒の将来に少しでもいい影響を与え、豊かな人間になってもらおうと情熱を注げますか。
一般企業では当然大人のみが関わって仕事をしています。どれだけ気に食わない取引先であっても大人なので理性的にコミュニケーションをとろうとしますよね。
学校ではその相手が生徒になります。こちらのことを同じ人間とは思っていないような時もあります。幼いが故に自分をコントロールする術を知らず、攻撃的な態度でしか自分の意見や存在を主張できない生徒も多いです。それをどのように捉えるかは教員側の感情ですが、「なんでそんな態度ができるの??」ということが多すぎて、そんな相手に熱意を持つことができませんでした。
私の友人の中には特別熱意がなくても割といい感じに非常勤講師をこなせている人もいます。これは勤務する学校やその人自身のポテンシャルにもよると思うので一概には言えないかもしれませんね。
非常勤講師しんどかったこと
ここからは私が実際に非常勤講師をしていてしんどかったことを紹介していきます。
少し特殊な形ではありますが、お楽しみください。
しんどい理由1:拘束時間が長すぎる
私は私立の高校に非常勤講師として勤務することになりました。
ちょっと特殊な形での採用です。非常勤講師では珍しい、部活(吹奏楽部)の副顧問をする前提での勤務でした。
- 火曜、土曜合計6コマ
- 火曜、土曜、日曜は部活動参加
- 授業のみで9万円ほど
- 部活動手当は上限3千円
授業自体はとても少ないです。普通はもっとコマ数が多いと思います。
他にも音楽の先生がいて、部活動指導の人員として配属されたためこのような授業数でした。出勤日と日曜日は部活動に参加します。
日曜日の部活動は 8:30~19:00までみっちり。
しかし、ちゃんとした顧問の先生がいるので私がすることは全くないのです。その先生に尋ねても何を言われることもなかったので困りました。楽譜のコピーと外出時の引率がメインです。。
もちろん生徒へ演奏の指導はしていましたが、たまにしか来ない人に何を言われてもなあ…という思いもあり、しすぎないように気を付けていました。
生徒と一緒に練習をするのは楽しかったですが、することが特にないのに一日中拘束されるのはとてもしんどかったです。
何度も「私いなくてよくない??」と思いましたが、さすがに「帰っていいですか?」とは言えず、しっかり最後まで生徒を見送って帰っていました。
また個人的に辛かったのは、教員とは別にやりたいことがあり、それをしながら非常勤講師をしていたにも関わらず、拘束時間が長くやりたいことに割く時間が無くなったことです。本末転倒でした。
金銭的にも厳しかったです。授業のみであればかなり割のいいお仕事ですが、部活動の拘束時間がとっっても長いです。そのため、時給換算すると普通のバイトと同じくらいでした。
しんどい理由2:生徒と距離が縮まらない
非常勤講師の最大の難しい点ではないでしょうか。
その授業でしか会うことのない先生。しかも音楽の授業です。生徒との関係が築けず、授業も形になりませんでした。
あと、単純に私が悪かった点
顔と名前を覚えられない
これは完全に私がクソなだけです。
週に2度しか会わない120人の顔と名前は覚えられなかった泣
しんどい理由3:授業にならない
関係性が築けないから、授業にならない
授業にならないから、関係性が築けない
最悪のループです。
一番堪えたのはとにかく授業にならないということでした。
具体的には
- 話を聞いてくれない
- 席に座らない
- 前を向いて座れない
- やってと言ったことをやらない
こんなことが常に起こっていました。私に良くないところがたくさんあったのは事実です。
それでもなんとか興味を持ってもらえるよう、独自の教材を用意したり楽しくコミュニケーションを取ったり、生徒に寄り添えるように工夫をしました。しかし、そこから得られた変化はほんの少しでした。
音楽は副教科のため生徒は手を抜きます。しかもそれがよく分からない若い女の先生。絶好のさぼりチャンス、ここぞとばかりにダラけます。
授業としては崩壊していたと思います。私自身が超まじめな中高生であったこともあり、なぜそんなに静かにできないのか、座っていられないのか、人の話が聞けないのか、理解ができませんでした。
おまけ:しんどすぎた生徒からの反応BEST3
①無視される
王道でありダメージも最大級。普通に悲しいです。全員の見えるところに立っていて、声を出していてもまるで私は存在していないかのよう。
②なんか睨まれる
マジで意味わからん。これは女子に多いです。睨み返したかったけど我慢。
③ダル。とかウザ。とか聞こえるように言われる
ダルいのは分かりますけど…やることやってないのにそんなこと言わないで??それと言ってもいいけどあまり聞こえないところでお願いします。こちらも人間ですので。
授業の内容は決まっていた
幸いにも正規の先生がいて、その先生が年間の授業カリキュラムを作ってくれていました。そのため授業内容を一から考える必要はありません。これはラッキーでした。経験も志もない奴が指導計画を作るのは無理です。
しかし、その授業の内容というのが”良い”のかは私には分かりませんでした。
先生の長年の経験から構築された、無駄のない省エネ授業。このカリキュラムのなかで自分が伝えられることはあるのだろうか??そんな不安がありました。
授業内容は変えることはできませんが、経験のない自分では同じことはできないだろうと、教材を作ったり資料を準備したりしました。
しんどい理由4:他の先生との交流がない
私の勤務した学校は規模が大きかったため、先生の数もとても多かったです。そのためか、正規の教員の職員室と常勤・非常勤講師の職員室が分かれていました。
正規の教員とのコミュニケーションは皆無です。4月に自分の受け持つクラスの先生に挨拶をした程度で、それ以外では本当に必要なときにのみしか話すことができませんでした。
授業の担当クラスの担任と音楽科の先生以外は関わることが一切なく孤独でした。。
私立の学校は先生の入れ替わりが少ないため、独特のコミュニティ感があり閉鎖的な雰囲気があります。なんとなくずーっと肩身が狭いというか、疎外感があり居心地が悪かったです。
まとめ
非常勤講師について私の実体験をもとに解説をしていきました。特に兼業で非常勤講師を考えている人に知ってほしい内容でした。
教員は生徒の成長を見守れるとてもやりがいのある仕事です。しかし、非常勤講師となると学校から扱い、生徒との関わりの面で非常勤講師ならではの大変さがあります。その大変をやりがいで相殺することができるかを考えてみてください。
この記事のまとめはこちら。
- 真剣に教員を目指す人
- 教員という仕事に熱意を持てない人
- 拘束時間が長すぎる
- 生徒と距離が縮まらない
- 授業にならない
- 他の先生との交流がない
どんな仕事をするにも心が疲弊しきってしまうのはよくないです。
自分の健康を第一に仕事をしてくださいね。